漏電火災警報器一試験
漏電火災警報器の設置工事及び配線工事が完了したら、試験基準に従って外観試験や機能試験を行う必要があります。
作動試験
テストボタンを押して漏電ランプ(赤色の表示灯)の点灯、及び音響装置(ブザー)の鳴動を確認する。
備考:テストボタンには試験用押しボタン及びスイッチがあります。
漏洩電流検出試験
漏電火災警報器試験器を用いて、実際に漏洩電流を流れたのと同じ状況を作ってその動作を確認する試験。
試験方法
- 漏洩電流を流すリード線を、図のように端子から変流器を貫通して往復させる。
- 電流調整つまみを左にいっぱいに回して0にし、電源を入れる。
- 受信機の作動電流設定値を最小値にセットし、また電流計切替つまみをそれに見合った適当な値にセットする。
- 電流調整つまみを徐々に右に回すと、やがて音響装置が鳴動して漏電火災警報器が作動する。その際の電流計の読みが作動電流値となる。
- 以上の操作を2~3回繰り返して平均値を出す。
- 受信機の作動電流設定値を変更して同様の試験を繰り返す。
もし作動電流値が電流計の最大目盛り以上であるなら、電流計切替つまみを1段上に切り替えます。
合否の判断基準
- 検出漏洩電流設定値の40%以上105%以下で受信機が作動すること。(この数値は設置時の試験での値です。総合点検で行う場合は、-60%以上、+10%以下、すなわち、設定値の40~110%に入っているかで判定します。)
- 漏電表示灯(漏電ランプ)は、復帰操作を行うまで継続点灯していること。
ただし、自己保持回路がないものにあっては、操作終了と同時に点灯が停止とすること。
音響装置試験
試験方法
音響装置の中心から1m離れた位置に騒音計を置き、音圧を測定します。
この際、騒音計の測定レンジはAレンジ(A特性)を用います。
合否の判定基準
- 音量、音色が他の騒音計と区別して聞き取ることができること。
- 音圧は、70dB以上であること。
- 暗騒音による補正について。
ブザーを鳴らす前からすでに周囲の騒音(暗騒音)がある場合、次のように補正を行います。
表の使い方は、例えばブザーの鳴らないときに72dB を指示し、鳴ったときには76dB であったならば、76-72=4dB が表の上段(指示の差)であるから、下段の補正値と計算して(76-2=74)補正した値は74dB となる。
(対象の音がある時とない時の)指示差 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10以上 |
補正値 | -3 | -2 | -2 | -1 | -1 | -1 | -1 | 0 |
配線の試験
配線の試験には絶縁抵抗試験、接地抵抗試験、絶縁耐力試験があります。
絶縁抵抗試験
各回路と大地間、及び配線相互間の絶縁抵抗を絶縁抵抗計(変流器を分割することができないためー)を用いて測定します。その測定値については、以下の表のようになります。
電圧 | 絶縁抵抗値 |
300Vを超える場合 | 0.4MΩ以上 |
150Vを超える場合 | 0.2MΩ以上 |
150V以下 | 0.1MΩ以上 |
接地抵抗試験
電路に接続されている機械器具の鉄台、及び金属製外箱について、接地抵抗計を用いて接地抵抗値を測定します。その測定値については、次の表のように規定されています。
電圧の種別 | 接地工事の種類 | 接地抵抗計 |
高圧・特別高圧 | A種 | 10Ω以下 |
(低圧)300Vを超える場合 | B種 | 10Ω以下 |
(低圧)300V以下 | D種 | ※100Ω以下 |
※地絡時に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設するときは500Ω以下
絶縁耐力試験
試験電圧を連続して10分間加え、これに耐えること。